黄金時代通信

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【地球外文明】ドレイクの方程式から分かる地球外文明の数

こんばんは、ナツです。

今回はドレイクの方程式についてです。

ハードSF好きなら聞いたことあると思います。この方程式は地球外文明の数を求める方程式です。つまり知的エイリアンの存在を前提として考案されました。

もちろん創作物の中の話ではありませんよ。天文学者のフランク・ドレイクが提唱しました。僕はとてもリスペクトしている日系人理論物理学者、ミチオ・カクの科学教育番組でドレイクの方程式を知りました。

この方程式との出会いは衝撃と共に僕の人生観を大きく変えました。なので多くの人と共有したいと思いました。多くの人がたった一つの数式で人生観が変わることはないと思いますが多くのことを知るということは良いことだと思います。それと同時に多くを知ることは新たな時代への備えだとも僕は思っています。

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ドレイクの方程式

ドレイク方程式は最初に紹介した通り銀河系内に星間通信技術を有した文明の数を知るためにフランク・ドレイクが提案しました。

式は

N=R*×fp×ne×fl×fi×fc×L

で表され、Nは文明の数です。それ以外の変数は以下の通りです、

R*:銀河系の中で1年間に誕生する星の数

fp:誕生した星が惑星をもつ確率

ne:生命が生存できる環境を備えた惑星の数

fl:惑星上で生命が発生する確率

fi:発生した生命が知性をもつ確率

fc:進化した生命が高度な文明をもつ確率

L:文明が実際に通信を送ることが可能な年数

変数に数字を当てはめて文明数を求めるのです。変数に当てはめる数字は科学者によって偏りがあります。ちなみに提案したドレイク本人は現在10の高度な文明が銀河系内に存在するとしています。その内訳は

 N=10(R*)×0.5(fp)×2(ne)×1(fl)

       ×0.01(fi)×0.01(fc)×10000(L)

 

もし僕が当てはめるとするとどうなるかやってみます。

まず、R*はドレイクと同じく銀河系の中で1年間に10個程恒星が誕生するとします。

fpもドレイクと同じく恒星の半分が惑星を持つと思います。0.5

neの生命が生存できる環境を備えた惑星の数については3とします。これはガス惑星の衛星も考慮しました。太陽系で例えるなら地球、火星、木星の衛星エウロパと言ったところです。もちろんまだ地球以外に生物は見つかっていませんが、充分生まれる可能性はあると思います。

flの惑星上で生命が発生する確率は100%だと思っているので1とします。

fiの発生した生命が知性をもつ確率は10%くらいかな、なので0.1です。生態系が複雑になれば高い知性を持つことは容易だと思います。問題は単純な生物が複雑な生物に進化するきっかけがあるかが鍵になりそうです。

fcの進化した生命が高度な文明をもつ確率5%、これも感覚です。0.05

Lの文明が実際に通信を送ることが可能な年数についてはいろいろ考えてしまいます。もしこのまま地球文明の発展が進まなければ5000年くらいと予想、もしシンギュラリティを迎え加速度的にテクノロジーが発展するとしたら100万年も可能だと思います。とは言えあまりにも差があるので3万年とします。

これらを式に当てはめると

N=10×0.5×3×1×0.1×0.05×30000=2250

 

僕の答えはこの銀河系内に2250の文明があることとなりました。これを見て多いと思うか少ないと思うか。以前の僕なら多すぎると思ったと思います。多くの人もそう感じるのではないでしょうか?妥当だと思ったり少ないと思ったなら貴方は既に大宇宙時代を生きる準備が出来ているかもしれません。

今の僕は2250の文明と聞いて驚いたりはしません。少し多いとは感じますが。ただ我々の暮らす銀河系はかなり大きいです。

僕が始めて上野の科学博物館で銀河系マップを見た時衝撃を受けました。実際の銀河系のサイズは僕が想定していた銀河系のサイズより少なく見積もっても100倍は大きかったのです。銀河系を地球に例えるとシリウスといったよく名前を聞くメジャーな恒星の多くは隣街に暮らす親戚の家と同じくらい近い場所にあります。銀河系の殆どの領域は名前も聞いたことない異国の街と同じように馴染みのない領域です。それほど銀河系は広大なのです。たとえば世界が滅びた後、一人生き残ったとして、生きてる内に会えないとしても世界のどこかにまだ生き残った人がいるとは思いませんか?たぶん2250人は生き残っていてもおかしくないと僕は思います。とっさに思い付いた例え話なので銀河系が完全に同じ状態とは言えませんがなんとなくスケール感は伝わったのではないでしょうか?

SFが銀河系を小さく認識させる要因になっているとも思います。スターウォーズスタートレック、日本からはマクロスシリーズ等、簡単に恒星間航行を成し遂げてしまいます。勿論現実でもワープ航行が可能になれば銀河系はかなり小さくなるでしょう。飛行機の普及が地球を小さくしたように。

 

このように宇宙をよりディープに知れば知るほど地球外文明の存在が当たり前に近づきます。とは言うものの現在まだ地球外文明どころか、地球外生物すら見つかっていません。それだけまだ地球文明が未発達であるのだと思います。なにせ隣の火星ですら人間は一度も行ったことないのですから。

僕はドレイクの方程式を知って世界の見え方が変わりました。この宇宙には多くの文明があり、いつの日か接触する日が来るのだと信じています。そのためには地球文明の発展や成熟も必要だと思います。 なので以前紹介したテクノユートピア思想に共感しているのです。いつか一人の地球人としてイノベーションを起こしたいと思います。

 

そして、ドレイクの方程式について重要なことを二点ほど触れて終わりたいと思います。まず、第一にドレイクの方程式は地球型の生命を想定して作られたこと。例えば恒星表面やガス天体の中に生まれるような未知の体系の生物については仮定していないと思われます。

二つ目は式の変数Lについてです。Lは文明の存続年数です。つまり文明に終わりがあるとされています。なのでLを伸ばすことが地球人全員で目指す目標となるのではないでしょうか?

 

今回はこのへんで

次回は宇宙文明をカテゴライズしたカルダシェフスケールについて触れていこうと思います。